日時:10月29日(金)18:30~21:00
会場:長崎大学経済学部 新館101
出席者数:33名(長崎県産業労働部:10名、長崎大学:山口准教授および学生4名、長崎同友会:18名、ゲスト1名)
今回は長崎県産業労働部、長崎大学経済学部山口ゼミ生の皆さん、同友会が集まっての意見交換会となりました。
まずは、長崎大学経済学部 山口ゼミ生からの報告があり、その後同友会から共同求人委員会の取り組みについての説明、そして長崎県産業労働部からは県の就職支援の施策について説明をいただきました。
その後、「学生アンケート結果からみる就職観の分類、傾向に対し企業はどのような新しいチャレンジや変化に対応していくか、また行政はどのようなサポートができるか」というテーマでグループディスカッションを行いました。
各グループからの発表内容としては、大学生が就活するうえで重要視している点や気にかけていることなどの発表がありました。
発表者の方たちが重要視している点は「経営者や従業員の思想や理念をHPで調べている、自分の好きなものを仕事にして豊かな時間(物)を提供したい、好きな仕事であれば遠隔地でも働きたい、そして安定した収入があること」といった点でした。また、大学生のアンケートからみる就職観としては「自分の特性に合った仕事、収入の安定、気軽に相談できる職場内の人間関係」など、ストレスのない環境を求めているとのことでした。
今回の意見交換会で感じたことは、これまでの働き方のなかにあった「終身雇用、財産形成、働いてなんぼ」の土の時代と言われる時代から少しずつ認識が変わってきており、「自分の休暇が自由にとれる、高額でなくとも安定的な収入、転職してスキルアップを図る」といった風の時代のはじまりともいえるもの感じました。
これまでは就職してしまえば定年まで働き、高給とりになってでかい家に住みたい、高級車に乗りたいといった財産形成の物欲が強い時代だったかと思います。転職に関しても当たり前の時代になりつつあり、これまでのように「やめるなんてもったいない。我慢と辛抱だ。」と説得することもおかしな話になってくる時がくるのではないかと思います。特にここ数年の新卒の若者の離職率をみて、なぜわざわざ就職できたのにすぐやめるなんて理解できない、と思われる方も多かったと思います。
しかし、最近の若い方たち(20代)と話をしていると、財産形成や終身雇用よりも必要最低限の財産形成と好きな事に取り組める「時間」を必要とする人が増えていると感じています。大金を稼いで高額なものを買うことよりも、「自由さ、多様性、知ることや新しい体験に対する対価」に重きをおいているということ。それが風の時代といわれています。アドレスホッパーやノマドワーカーといわれる人たちはまさにその象徴だと思います。
最近の小学生に関しては、必要なものはすべて揃い(お店の商品の充実やネット通販の普及によりほしいものはすぐに手に入る)、必要な知識はスマホ・タブレットで手に入る世の中になってきており、5年後10年後の就活においてはさらに風の時代の流れが本格化してくると感じました。
グループディスカッションにおいてもおもしろい話が飛び交いました。「ほとんどの大学生は、実際のところ何も考えていない。」と言われる大学生もおり、SDGsや多様性を重要視して就活を行うものの、結局自分がどんな仕事が向いているのかもわからずにいるということを聞きました。諫早支部の上野さんからは「自身のスキルアップになる転職は全然ありだと思うし、自分の息子たちにもすすめている。」と話しておられました。
転職においても、嫌でやめるのではなく自分自身のスキルアップや豊かな時間を過ごすためのであり、今後は企業で学んだことを活かして転職や独立して、自身のライフスタイルの充実をはかる人が当たり前の時代になると感じました。
これから先の新しい働き方のためにも、企業側もHP上での事業内容や経営理念(思想)をわかりやすく発信し、求人の出し方や働き方、給与面、転職しやすい(いきなり転職されても困らない)環境づくりを少しずつ取り組んでいくべきだと感じました。
文責 佐世保支部 足立 琢哉