日時:9 月15・16 日(水・木)
会場:Web
問題提起:「経営者の責任とは」 梶谷 俊介 氏(中同協社員教育委員長)
実践報告:「人を生かす経営の総合実践で魅力ある企業づくり」
福留 進一 氏 (株)現場サポート 代表取締役(鹿児島同友会副代表理事)
キーワードとして印象に残ったのが、「浸透ではなく共感」という言葉でした。
福留氏の会社では、経営計画書をつくり経営計画発表会を開催し、働きやすい職場をつくって新卒を毎年採用するということを当然のように実践していました。そこには経営者の想いを伝えるということは当たり前に想像がつく取り組みであるとは思いますが、それよりも社員の想いをしっかり聴くということを実践しているからこそ企業が成長しているのだということを感じました。
社長の心の根底には常に同友会があり、対等な労使関係を構築し企業理念に対して労使がお互いの意見をぶつけ合える関係をつくり、労使が同じ想いを持って会社の成長発展に尽力する仕組みをつくりあげていました。
昨今の働き方改革の中で、生産性を上げることに対する一般的な取り組みは、労働投入時間をいかに下げられるかということに着目されています。ただ、福留氏の会社では時間当たりの利益を上げる取り組みを主眼にされていました。その根底にあるのはコミュニケーションをしっかりとることによって社員さんが感じるやりがいを高めてあげることであるとの報告がありました。結果的に社員の方々は満足感を得ながら仕事をしてくれており業績にも反映されるのだとおっしゃっていました。ただ、福留さんの会社では社員の満足感が高止まりしていることに対しても問題意識をもち、自己の満足感から他人に対する満足や幸福を与えることにより更なる「やりがい」を感じる活動を行なっているとのことでした。
経営者と労働者が理念に対する「共感」を持ち、さらに社員とお客様が日々の活動の中で「共感」を得ながら他人に対する幸福感を与える。その共感から濃度が濃い「やりがい」を感じているのだということを学びました。「労使が対等に共に育つ」という想いをお互い明確に感じられる関係を構築していくことが人を生かす経営におけるポイントではないかと感じました。
文責 県共同求人委員長 野方 康平
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完全Web での開催となった合同委員会に参加させていただきました。1 日目の冒頭、梶谷中同協社員教育委員長より労使見解を中心とした問題提起をいただきました。社員との関係は対等であるべきであること、これこそ経営者の責任であり、社員との信頼のカギは経営理念であるということを強く提起していただきました。
この提起を受け実践報告は鹿児島同友会の福留会員。「働きやすさ+やりがい=働きがい」という価値を見出し、あらゆることで実践されている事例報告でした。何のため、誰のための経営理念なのか、そして仕組みづくりなのかを明確にし、経営指針を浸透させるのではなく社員と共感するものという考え方はまさしく全社一丸経営の様子をうかがうことができました。そして徹底的に取り組み “変わる”ことへのチャレンジ精神から経営者の責任を強く感じることもできました。
グループディスカッションではまずは自社の現状認識をしっかりと行い、何が課題なのかを可視化すること。ただし、目の前の課題にばかり目を向けるのではなく10 年先のビジョンや理想をしっかりと社員と共有することでぶれない経営を目指していこうとまとまりました。事務局として、やはりまずは会員を知ることから始めなければならないと思います。先日大村支部の勉強会で会員の経営デザインシートの中間報告会に参加させていただきました。普段話す機会がある支部役員さんの発表でしたが、あらためて内容をお聞きするとまだまだ知らなかったことが多々あり、しっかりと本質を知ることの重要さを痛感したばかりでしたので企業訪問はできずとも、普段の会話の中でアンテナを張り、些細なキーワードを拾いながら会員さんをより深く知っていこうと思います。
2 日目は単独の共同求人委員会開催となり、全国の正副委員長の審議、中小企業サミットなどの協議事項の後、全国の取り組みを共有しました。長崎の共同求人委員会は発足してまだ日が浅いですが、大学との取り組みや他の機関との連携はしっかり行えていると思います。しかし各地同友会同様、この運動に参加する会員がまだまだ少ないことが課題の一つです。新卒採用がすぐできない会員企業でも大学や行政とのイベントに積極的に関わっていただくよう、情報発信と企画立案をしっかり行っていきたいと思います。コロナ禍を受け、採用の市場は大きく変わってきましたが、時代や情勢に左右されない採用活動をめざし、人を生かす経営4 委員会だけでなく他の委員会も巻き込みながら運動を継続していくことで若者が定着する長崎、若者を受け入れることができるような選ばれる企業づくりが推し進むと思います。若者や地域からあてにされる同友会、そして会員企業からあてにされる事務局づ
くり。また今日から精進します。
文責 事務局次長 峰 圭太