日 時:7月19日(木)18:30~21:00
会 場:サンパーク吉井
テーマ:事業承継後の10年ビジョン
報告者:(有)中村商事 代表取締役 中村 寿弥会員
佐世保市鹿町町で養殖魚用飼料・資材販売、養殖用網染め事業を展開されている「(有)中村商事」代表取締役の中村さんは、お父様が1983年に創業、2018年に代表を交代されています。お父様が創業されてからの自社の歩みと事業展開、2017年度に北松浦支部で行った経営指針実践セミナーで成文化した「事業承継後の10年ビジョン」について報告されました。
中村さんが3歳の時、当時専業農家で生計を立てていたお父様は40歳、子供は3人、収入が少なく生活が厳しかったこともあり、収入の足しになればと飼料販売店の下請けを始めることにしました。中村さんは高校卒業後程なくして入社、小学生の時から手伝いをし、飼料販売の仕事に触れていたそうで、当初は手伝いの延長のようなお気持ちだったそうです。平成14年、お父様は仕事ぶりや人間性をお客様に評価され結果が出ていた為、某飼料メーカーと代理店契約、法人化をされ現在の(有)中村商事を設立されました。その後は、売上げの4割近くを占めていた取引先の廃業等困難もありましたが、現在の事業には欠かせない存在の弟さんの入社、現在柱となりつつある競合の少ない網染め事業(※網染め事業とは:養殖網を、銅を主成分とした有機溶剤により養殖網の染加工を行い、網への付着生物の除去をすることにより魚の成長を良くし病気を低減、網の耐用年数を伸ばし網替え作業の低減等メリット多数。養殖業者が、今までコストと手間を掛け自社で行っていたことを(有)中村商事が低価格で実現した事業)を開始したりと、着実に、また積極的に事業展開をされてきました。
会社も年々増収増益を実現、お父様も75歳となり冗談半分で代表交代について話をする機会が増えていたそうです。数年前より中村さんが現場をすべて仕切っていたこともあり、平成30年代表を交代されました。
中村さんは自社のこれから、10年後の自社について「多くの方にもっと美味しい魚を食べてもらいたい」というお気持ちで、「魚に関するサービスすべてに対応できる会社」を目指し明確に経営理念と数値目標を定められています。
これまで自社を通して関わってこられた方々や、魚に対する情熱、事業に対する行動力に大変感動し学びをいただきました。今後も10年ビジョンに向かって邁進されるものと思いました。
文責 上野 健太朗