北松浦支部活動の詳細
2018/12/25

北松浦支部 11月例会報告

 

支部名:北松浦支部

日 時:平成30年11月20日

会 場:松浦シティホテル

テーマ:11月例会「事業承継 昔の考え方は通用しない」~文化の時代は多様化の時代~

報告者:九州教具(株) 代表取締役社長 船橋 修一氏

本 文:

九州教具(株)は1946年に創業し、創業者であり教育者であった本田嘉末氏は、戦後間もない創業期に「誠実にして 正確を旨とし 社会に貢献すべし」と企業理念を記され、現代の多様な価値観の「文化の時代」においても同社の道標とされています。物販業として創業された同社の経営環境を船橋氏は刻々と変革させてきました。「ホテル事業部」というサービス部門で実践・検証をし、「ソリューション事業部」でその運用ノウハウを付加価値として、お客様へ最適なソリューションを提供するビジネスモデルを確立されています。

船橋氏は、事業承継の問題点に関し「後継者が継ぎたくなる会社」ではないのではないかと問題提起されました。時代と共に経営環境は刻々と変化しています。1990年代前半のバブル崩壊とともに「経済の時代」は終わり、多様な価値観の「文化の時代」へとパラダイムシフトが起きました。「予定された答えが用意され、決められた枠組みで決められた問題を解く」のが「経済の時代」ならば、「文化の時代」とは「問題設定そのものを自ら行い、そこから答えを自分で選択する」と言え、価値観が逆転します。答えのない文化の時代に必要なものは教養≒リベラルアーツであり、「人の役に立つ」ための学びです。社会に貢献し、人の役に立つ企業となるためには、企業を構成する社員一人ひとりが「人の役に立つ人間になる」という強い思いがなければならないと船橋氏は言います。

また、企業の社会問題への関与に関して「CSV経営」(CSVとはCreating Shared Valueの略で、「共有価値の創出・創造」という意味)について、実際に同社が行われている実践例をご紹介いただきました。長崎大学の医学部・歯学部の学生向けに「文化の時代のCSV経営の実践」と題した講義や、長崎大学1年生向け講義「キャリア実践」・課題解決型インターンシップを行われたり、小学校での「リーダーとは人の役に立つ人間になること」と題した授業も行っています。船橋氏は、小学生が納得できない「理想」を、社員が理解できるはずがないと言います。

同社では「ピース折り鶴プロジェクト」をはじめ積極的な社会貢献活動も行われています(詳しくはHPをご覧ください)。また、地域経済をリードする中核企業が経済産業省に選定される「2017年地域未来牽引企業」に選定され、今後ますます地域経済を牽引されることが大いに期待されています。

最後に、お話しいただいた内容は、外国人労働者の方の雇用・活躍に関することや、男女別・年功などにとらわれない役職の立候補制や、「無から有を生む」を実践された波佐見町でのホテルの開業等、ここでは書ききれないほど大変深いお話しで目から鱗が落ちるようでした。事業承継は、まず「この会社を継ぎたい」と後継者が思える魅力的な企業であるかという事が大変重要であるとご教示いただきました。

文責 上野健太朗